IT Design

ITデザイン

概要

ITデザインにおける代表的な論点はUI(ユーザーインターフェイス)とUX(ユーザー体験)です。ユーザビリティに関する課題の背景として、インターフェースがより抽象化され、人間の心理的側面と身体的側面とはかけ離れたデザインになっている傾向があります。UXにおける課題の多くは、過去の経験と使用経験の間にギャップが生じることに起因されます。抽象化されているUIデザインに身体的側面と心理的側面を反映させ、UXの向上を図るために行為やプロセス自体のデザインを行いITデザインベースドなサイトやサービスの構築を行います。

背景

ITデザインにおける代表的な論点はUI(ユーザーインターフェイス)とUX(ユーザー体験)です。

UIとは、ヒトとデバイスやソフトを繋ぐ境界線を示しています。現在主流のUIはGUI(グラフィカルUI)であり、画面上のアイコンや図をマウスやタッチパネルで操作する形式が主流です。

サービスやデバイスの使いやすさ(ユーザビリティ)はインターフェースのデザインによって影響されます。ISO9241-11(参考)でユーザビリティは、目標を達成する過程での、有効さ、効率、満足度の度合いと定義されています。UIに関する知見が深まっている中で、現在主流のユーザーインターフェイスが完成されたものであるかというと、一概にそうとは言えない現状があります。

ユーザビリティに関する課題の背景として、ITサービスが成長するに従って物理的に機能を体現するニーズが少なくなり、インターフェースがより抽象化され、人間の心理的側面と身体的側面とはかけ離れたデザインになっている傾向があります。

次にUXですが、UXでは、ヒトがデバイスやソフトを使用し、その使用経験が知識や価値そして位置付けられるという経験価値を扱います。

ITサービスでは、サービスを通じてユーザーによる経験が発生します。UXにおけるデザインでは、この知識や価値が形成されるプロセスを設計します。感情に訴え、従来よりも使いやすく、より魅力的にすることがUXデザインです。UXにおいても多くの課題が顕在している状況があります。

UXにおける課題の多くは、過去の経験と使用経験の間にギャップが生じることに起因されます。人は何かを使用する場合、過去に似たようなサービスを使った経験をもとにして使い方を推測することが多いです。過去の使用経験を新しいサービスで転用できない場合に、使いやすさや満足度の観点で問題が発生してしまいます。

提案

UIにおいては、人間の身体特徴に合わせて機能と操作性を併せ持つITデザインを開発します。TUI(タンジブルユーザーインターフェース)の概念を応用します。TUIは、デジタル情報に物理的表現を与えることで情報に直接触れる知覚を表現し直感的な操作を可能にします。サービスに心理的側面と身体的側面を反映させユーザビリティの向上を図ります。

UXにおいては、行為そのもののデザインを行い経験価値を向上するプロセスやシステムを構築します。まずは、知識や価値が形成させるプロセスのタッチポイントを明確にします。次に、サービスと人が接するタッチポイントとして簡易的なプロトタイプ(ペーパープロトタイプやデジタルプロトタイプ)を作成し、行為のプロトタイプとしてロールプレイ、シナリオ、ストーリーボードなどを作成します。プロトタイプを繋げて一つのプロセスとして設定し、この一連の流れをインスペクション法や比較サーベイなどの評価方法によって修正します。

ポイント

・抽象化されているUIデザインに、身体的側面と心理的側面を反映させる
・UXの向上を図るために、行為やプロセス自体のデザインを行う
・デザインベースドなサイトやサービスの構築

活用

既存サービスのブラッシュアップとしてUIやUXの修正を実施することが可能です。ユーザーのコメントや評価を参考にしつつ、感性に訴え、従来の機能よりも使いやすく、より魅力的なサービスにします。

新サービスを開発する際にもITデザインは活用できます。今までにないものを提案する提案型サービスの場合は、UXを向上させるために既存サービスの使用経験の様式を転用できないか検討します。ユーザーがサービスを基点にたどる一連の流れを設計しタッチポイントを整理します。

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参考:ユーザビリテに関する10箇条の知見

以下のニールセンのユーザビリティ10原則(参考)は、UIを検討する上で配慮するべき原則と考えられています。

・シンプルで自然な対話を提供する
・ユーザーの言葉を使う
・記憶負荷を最小限にとどめる
・一貫性を保つ
・フィードバックを提供する
・出口を明らかにする
・ショートカットを提供する
・適切なエラーメッセージを提供する
・エラーを防ぐ
・ヘルプとドキュメンテーションを提供する