市場調査の基本的な手法

新しい製品を作るとき、何を作れば良いのか、どのように作れば良いのかを知るためには、まず何を知る必要があるでしょうか?それはお客様のニーズと市場の動向です。これらを理解するための一つのツールが「市場調査」です。今回は新規事業開発を進める上で不可欠な市場調査の基本的な手法とその活用についてご紹介します。

プライマリーリサーチとセカンダリーリサーチ

まず、リサーチ(研究)とは何かというと、答えを見つけるために質問を投げかけ、情報を集めてくる活動のことです。このリサーチは大きく分けて二つのタイプがあります。それが「プライマリーリサーチ」と「セカンダリーリサーチ」です。

プライマリーリサーチ(フィールドリサーチ)

プライマリーリサーチとは、自分で直接情報を集める活動のことを指します。例えば、学生時代の友人がスポーツの中で何が一番好きか知りたいと思ったら、それぞれに「何が一番好き?」と聞いてみることがプライマリーリサーチにあたります。これはフィールドリサーチとも言います。フィールドとは「現場」を意味し、直接現場で情報を得るためのリサーチという意味です。

セカンダリーリサーチ(デスクリサーチ)

それに対して、セカンダリーリサーチは、既に他の人が集めてくれた情報を利用する方法です。たとえば、あなたが「日本で最も人気のあるお菓子は何か?」と知りたいと思ったら、インターネットで調査結果を見たり、本で読んだりすることで答えを見つけることができます。これがデスクリサーチです。デスクとは「机」を意味し、机に座って情報を得るためのリサーチという意味です。

この二つのリサーチ方法は、それぞれに利点と欠点があります。プライマリーリサーチは自分の目的にピッタリ合った情報を得ることができますが、時間と労力が必要です。一方、セカンダリーリサーチはすぐに大量の情報を得ることができますが、自分の具体的な質問に答えてくれる情報を見つけるのは難しいかもしれません。

フォーカスグループ

「フォーカスグループ」とは、何か特定のテーマについて考えるために集まった小さなグループのことを言います。このフォーカスグループは、よくリサーチの方法として使われます。

例えば、新しい事業のアイデアを考えることになったとしましょう。何をすればみんなが喜ぶか考えるために、同僚の中から数人を選んで一緒に話し合うことにしました。それぞれがどんなサービスが好きか、何が欲しいかを話して、それを聞いてみんなで考えます。これが「フォーカスグループ」の一例です。

このフォーカスグループでの話し合いは、たいていは専門家がリードします。その人は「モデレーター」または「進行役」って呼ばれる人で、全員が自分の意見を言えるようにする役目を持っています。全員が自由に話せる環境を作ることで、新しい意見やアイデアが出てくることが多いです。
フォーカスグループは、新商品の意見を聞いたり、テレビ番組の反応を見たり、あるいは政策についての意見を集めたりするのによく使われます。参加者の本当の気持ちや考え方を理解するのにとても役立ちます。

サーベイ

サーベイ(アンケート)によるリサーチは、一言で言えば、たくさんの人に質問をして、その答えを集める方法です。これは、「みんなが何を考えているのか?」や「何が好きなのか?」を知るための一つの道具と言えます。

例えば、あなたが職場で「どのサービスが一番人気があるのか?」を知りたいと思ったら、アンケートを使って調査することができます。全ての社員に、「好きなサービスは何ですか?」と聞く紙を配り、答えを書いてもらうのです。それから、答えを全部集めて、どのサービスが一番多く選ばれたかを見るのです。これがサーベイ(アンケート)によるリサーチの基本的な流れとなります。

この方法の良い点は、大勢の人から意見を集められることです。そして、それらの答えを比べたり、分析したりすることで、多くの人が共通して考えていることや、どんな傾向があるのかを知ることができます。

ただし、アンケートは上手に作る必要があります。質問がわかりにくいと、本当に知りたい答えが得られないかもしれません。それに、答えを書く人が正直に書いてくれなければ、結果は真実を反映しないかもしれません。ですから、アンケートを作るときには、わかりやすい質問を考え、そして受け取った人が正直に答えられるような雰囲気を作ることが大切です。

ソーシャルメディアリスニング

ソーシャルメディアリスニングとは、インターネット上のソーシャルメディア(Facebook、Twitter、Instagramなど)で、人々が何について話しているのか、どのような意見を持っているのかを調査する方法です。この名前は「ソーシャルメディアでの会話を聞く(リスニングする)」という意味から来ています。

人々はソーシャルメディアを使って、日々の出来事や気持ち、好きな商品やサービス、テレビ番組について話します。これらの会話は、私たちが何に興味があり、何を好きで、何を考えているのかという情報が詰まっています。ソーシャルメディアリスニングは、これらの情報を集めて分析することで、大勢の人々の意見や感情、傾向を理解しようとするものです。

たとえば、お菓子の会社が新しいチョコレートを作ったとします。その会社はソーシャルメディアリスニングを使って、人々がその新しいチョコレートについて何を話しているのか、どのような反応をしているのかを見ることができます。好評なのか、それとも改善点があるのか、具体的には何が好きで何が嫌いなのか、といった情報を得ることができます。

ただし、ソーシャルメディアリスニングを行う際には、プライバシーの尊重や情報の正確さといった点に注意しなければなりません。ソーシャルメディア上の情報は全てが真実とは限らず、また、個々人のプライバシーを守るために適切に情報を扱うことが重要です。

以上、簡単ではありますがここまで基本的な手法とその活用について説明してきました。市場調査は新規事業開発を成功に導くための重要なステップであり、事業の方向性を定める上で欠かせないツールです。これらの手法を理解し適切に活用することで、お客様のニーズに合った製品を作り、市場に適応する力を持つことができます。

しかし、最も重要なのはこれらの情報をどのように活用するかです。市場調査から得られた情報を元にお客様のニーズを満たす製品を作り、市場の動向に応じてビジネスを進めていくことが大切です。