SDGsデザイン
概要
SDGsは非常にチャレンジングな目標であり達成するためには社会全体の創造性、ノウハウ、技術、資金が必要です。SDGsを実践する上でまず行うべきことは、一つ一つの目標を掘り下げることです。17の目標の中で、どの目標が資源や時間を投入すれば実現可能であるかを把握します。目標を掘り下げていく中で、具体的にどこに力を入れるのか注力するのかを特定します。その際には、ステークホルダーマップやコンセプトマッピングを作成するなどSDGsデザインの手法を採用することができます。

背景
気候変動、感染症、貧困、紛争など私たちの生活は大きな課題に直面しています。社会課題が顕在化している状況で、2015年に国際連盟により示された持続可能な開発目標がSDGs(The Sustainable Development Goals)です(参考)。持続可能とは、文字通り私たちの暮らしや生活が、次の世代、その次の世代、さらに未来の人々にとっても継続して発展することができるような状況に整えるという意味であると理解できます。
SDGsは17の目標が設定された統合的な指針であり、ある分野での行動が他の分野の成果に影響を与えること、そして開発行動は社会、経済、環境の持続可能性のバランスをとる必要があることを認識しています。SDGsは非常にチャレンジングな目標であり、達成するためには社会全体の創造性、ノウハウ、技術、資金が必要です。SDGsの目標はCSR戦略やESG戦略のロードマップとして企業活動に活用することも可能です。しかし、SDGsの目標を企業が実践するには課題が存在しています。
大きな課題の一つは、SDGsが主には政府向けに記載されていることです。ある目標が企業にとっては関係ないことだと捉えらるかもしれません(金融機関と水問題など)。17の目標を文字通りに実行しようと計画すると混乱してしまいます。自社は何ができるのかが、その特定作業は難しいといえます。
提案
SDGsを実践する上でまず行うべきことは、一つ一つの目標を掘り下げることです。17の目標の中で、どの目標が資源や時間を投入すれば実現可能であるかを把握します。目標を掘り下げていく中で、具体的にどこに力を入れるのか注力するのかを特定します。その際には、ステークホルダーマップやコンセプトマッピングを作成するなどSDGsデザインの手法を採用することができます。
SDGsで真に成功するには、社会的なインパクトに焦点を当てるだけではなく真にビジネスに焦点を当てたものにしなければいけません。ビジネスを度外視して表明的な活動をすることは、そもそも持続可能なプロジェクトにはなりません。ミッション、ビジョン、目的、顧客との関係性を目標と一致させます。ブランドアイデンティティなどのSDGsデザインを採用することができます。
活動を成功させるには組織全体に取り組みを浸透させることが必要です。SDGsのロードマップと会社としてのロードマップの方向性を一致させます。年次報告書に取り組みを記載します。
ポイント
・目標を掘り下げ、実現可能な領域を具体的に特定する
・ビジネスに焦点を当てる
・SDGsのロードマップと企業ロードマップの方向性を一致させる
活用
目標の調査や創造を行うには、調査としてのエスノグラフィ、創造としての参加型デザインや未来志向のバックキャスティングなどのSDGsデザインの手法が活用できます。取り組む課題をより具体化してビジネスとして実装する際には、簡易プロト、デザインプロト、ワーキングプロトなどのプロトタイプを作成してブラッシュアップを行います。
SDGsの目標と企業の方向性を統一するには、ワークショップなどの教育機会を提供したりボランティアプロジェクトを運営するなど、組織内にSDGsの目標が組み込まれるようにデザインします。
SDGsを用いてCSR活動を強化するには、ESGを考慮すると良いです。ESGとSDGsは関係性の強い概念であり、SDGsは世界的なロードマップであるのに対して、ESGはよりビジネスにフォーカスした概念となります。CSR活動が企業に更に求められている現状において、SDGsの目標を参照しつつESG戦略を構築する手法が有効的です。取り組みを年次報告書の形にて共有し顧客や社会と価値観を共有します。
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